【コラム】森林のデザイン2

「草を刈る」


田舎の暮らしの中で、

かなり重要な仕事のひとつ。


草刈機がなかったころは、

すべて手刈りだったのだから、

どんなに大変だっただろう。



今、山の景色を見て、

地元の年寄り衆が言うのは

青木山(人工林)ばかりということだけじゃない。


「柴山がないもんなぁ」


山里の人々にとって

山は「木」を育てるだけの

場ではなかった。


「草」というのは、

田畑にすき込む肥料だった。


だから、田畑を持つ人は、

採草地組合をつくっていて

田畑とセットで「割り山」として

地域の山を分け合って活用した。


「草を刈る」


その一つの行為も

邪魔者を処理するのではなく

大切な肥料を手に入れるためのもの。


草を刈るための採草地。

木を育てるための山。

薪やキノコや山菜を採る薪炭林。

そして、野生動物が生きる奥山。



年寄り衆の見ている「山」は、

私たちにとっての「山」とは、

まったく違う「意味」があって、

まったく別の景色がそこに広がっている。

なつみの里だより

山里の知恵と技と心をつなぎ、豊かな地域の未来をつくる「なつかしい未来の会」の活動紹介ページです。

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